塔2017年10月号~8月号掲載歌
塔2017年10月号掲載歌
<作品2>小林 幸子氏選
・左手をかばいかばいてお馴染みの膝の痛みを置き去りにする
・積年の膝の痛みは骨盤の歪みよりくる西瓜の赤し
・手首よりチタンの板を取り出してもらうか否かレモンあがなう
・玉川の駐車場にて一匹のオハグロトンボ舞いておりけり
塔2017年9月号掲載歌
<作品2>栗木 京子氏選
・全身に麻酔かかりて開かれてまた閉じられし左の手首
・ドクターの七針縫いし五センチの下に静もるチタンプレート
・術日より二か月ほどの手首にて右より太し二センチばかり
・まだ少し熱をもちたる手首にて重きものなど持ちそうになる
・ファスナーに噛まれ千切れし千円を換えてもらいぬ千円札に
七月号 山下 洋選歌欄評にて
沼尻 つた子氏より
・特発性固定蕁麻疹つまりその出れば消えたりしないわけなり
を取り上げていただきました。ありがとうございます。
塔2017年8月号掲載歌
<作品2>前田 康子氏選
・足二人背中一人に手が一人只今手術前にて手見る
・あの時あの一瞬の骨折は左橈骨遠位端とう
・初めての全身麻酔初めての点滴を受く夢見るごとく
・わたくしへいってらっしゃいおかえりと声かけくるる病室の友
・前触れのなく現れしドクターは傷口を見て綺麗だと去る
・レントゲン撮られリハビリ受けているチタンの板の寄り添う骨よ
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