いちご摘み その5
言
霜枯れの庭に小さく揺れている日だまりのよう 君のひとこと
青
こんなにも青いのかしら天上は 英名を知り朝顔を見る
眠
眠りから覚めない人の魂が本を抜け出す夕闇である
猫
猫年は何故いつまでも来ないのと問いかけてくる瞳した猫
姫
花束にあしらわれてる姫林檎ここへ置くから弓を引いてよ
吸
おでんなら竹輪麩がいい 鍋にあるものみなすべて吸いこんでいる
樺太
帽子には耳あてのある軍服の父は捕虜にて樺太を去る
舞台
袖にいる 舞台にスピンする人の汗きらきらと円をえがいて
飛
新聞紙つばさに見たて飛んでみた ちゃぶ台からの落下ではある
悲しみ
悲しみというしみのあるハンカチは洗わないまま取っておきたい
いちご摘みへの投稿作品です
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