いちご摘み その7
闇
まぶしさと闇のあわいに横たわる逢魔が時は保護色でいる
片
ポケットに片道切符だけを入れ会いにいきたい人のいたころ
胸
やわらかな胸に真紅の刺し傷の小鳩の震え間もなく止まる
回
花嫁として立ちつくす隣には座布団回す花婿の芸
二
花屋にて大鉢に水みちていて透きとおってる二匹のメダカ
絵
鉄線の花をデッサンした絵には青にわずかな赤まぜてみる
不気味な
漂白を重ねたすえに辿りつく不気味なまでの白いひととき
重
体重をかけてしゃがめばリヤカーは田んぼのきわにようやく止まる
きざむ
微塵にもピーマンだとは悟れないくらい刻めばいいのだろうか
人形
こわれても祖父にもらったセルロイド製人形のミルちゃんといる
いちご摘みへの投稿作品です
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