塔08年2月号掲載歌
<若葉集> 入会一年目の会員欄 栗木京子氏 選◎
・世田谷ののっぽの紅き五弁花が京都の母の写真にも咲く
・カメラにて捕えられたる紅蜀葵(こうしょっき)は自死せし叔母の手植えし炎
・映画にて殯(もがり)の森をさ迷えば雨は冷たく焚き火は温い
・溢れだしたりしないよう静静と花瓶の如くわが身を運ぶ
・あれきりになるのだろうな父といた鶴岡の夜の菊花の小鉢
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コメント
こんばんは!
書き慣れてきた、というか、角がとれてきた、というか・・・
作風が少しずつ変わってきているなぁ、と感じます。
「・・・花瓶の如くわが身を運ぶ」
の作品を興味深く読まさせていただきました。
投稿: のぼ | 2008年2月20日 (水曜日) 午後 09時18分
おはようございます!
そうですか、作風が変わりつつありますか。
詠んだり、読んだりの相乗効果かしらん。
花瓶の歌は、わりあいさしせまった状況を
詠んだつもりです。
興味を持っていただけたようで、うれしいです。
昨年、夏の「塔」全国大会での、河野裕子さんの
公演記録が塔11月号に掲載されていました。
一部、抜粋してみますね。
前略それから、自分の感情を強く言うと、詩形に負担が
かかるんですね。自分の感情を強く強く言ってしまうと、
言葉って不思議なもので、強い言葉を使ったから
強くなるというわけではなくて、むしろ言葉を薄めて
普通の言葉で組み立てていくことによって人の心に
訴えかけてくる力を持つというところがあるんじゃないかな。後略
投稿: あきの | 2008年2月21日 (木曜日) 午前 09時13分