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2008年3月16日 (日曜日)

塔08年3月号掲載歌

<若葉集> 入会一年目の会員欄 真中朋久氏 選

・今何が見えているかとケイタイの操り方を家電(いえでん)に言う

・ケイタイの呼出音に出てみれば父母の語らう声のみ聴こえ

・読点も句点もなくてひらがなの横並びするははのめえるよ

・すき焼きの鍋三つから湯気の立つ座敷は遠い正月二日

選歌後記

・ケイタイの呼出音に出てみれば父母の語らう声のみ聴こえ

 操作に迷いながらとりあえず電話がつながってしまった。
「ひらがなの横並び」とともに、活きいきと場面を切り取る。
私の好みでは結句は「聴こゆ」と終止形にしたい。
言いさしは、効果的な場合もあるけれど、
不安定で気障な感じにもなりがち。

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