私の好きな塔短歌0804<若葉集>三井 修氏 選より
[敬称略]
・亡き母に似し声のしてふりむけば雑踏に一人杖に頼る人(相澤豊子)
・レモンの実はつか緑を残したる黄の実が夕べ葉影に光る(相本絢子)
・凪ぎわたる水面のような日々連ねその哀しみをしあはせと云ふ(磯部葉子)
・子の布団ぱたんと伸ばす風に知る流し忘れたトリートメント(宇梶晶子)
・眠りたる幼の指の握りいし白きミニカー温もりている(奥野侑子)
・薬売りが置きてゆきたる袋には蛤に入りし塗り薬ありき(石飛誠一)
・焼きたてのパンの匂いも届けたし歩幅大きく坂を登れり(白石瑞紀)
・マンションを売りにくる人、靴いつも水茄子のごとつやめかせおり(永田聖子)
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