私の好きな塔短歌0807<若葉集>三井 修氏 選より
塔誌2008年7月号より転載させていただいた下記の短歌に数箇所ミスがありました。
訂正してお詫び申し上げます。尚、「私の好きな塔短歌」は、今回で終わりと致します。
[敬称略]
・白瓶(しらがめ)にまさりて白く匂ひ立つプルメリアわれに真向ふ<ハワイ>(奥貫洋子)
・父といふ重石失ひいまさらに家族でありし歳月を思ふ(櫻井ふさ)
・四月から介護の日々が待つ人とビタミンカラーのサラダ分け合う(白石瑞紀)
・春の雨滲みたる土に陽の差して侘助ひとつ白く耀よう(相澤豊子)
・死者送る病院の裏道狭けれど不便をいう人誰一人なし(石飛誠一)
・干しわかめ春の日向にくすくすと笑ひあふごと小さく揺れをり(江原幹子)
・明けやらぬ空気をきつて響かせるちさき雀の高らかな歌(加藤 紀)
・庭土を指もて掘れば早緑の光眩しきラッパ水仙(久保田千尋)
・停留所すこし手前で手を振れば故郷のバスはどうぞと止まる(外輪清孝)
・昼下がり酒屋の前の雪だるま目鼻落ちても万才しおり(橋本水津子)
・初めての深川丼つくらむと春浅き朝浅蜊煮てをり(はまさきひろし)
・受話器越しわずかに混じる雨音で君と私の世界がつながる(鈴木 聞)
・白き額伏せて物言う女あらば来て風聴かむ半夏生咲く(水橋あかり)
・球根植えしグラジオラスの一画にグラジオラスと名札を立てる(山村綾子)
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