« 塔2010年1月号掲載歌 | トップページ | 塔2010年3月号掲載歌 »

2010年2月14日 (日曜日)

塔2010年2月号掲載歌

<作品2>真中朋久氏 選

・すき焼きの鍋三つより湯気の立つ正月二日 朧となりぬ

・集まれぬ誰かのために寄せ書きをさせられたのは祖父の命なり

・床の間に柘榴の一枝飾られてその一粒の味を忘れず

・三代の足の行き交う階段や廊下を今は叔母のみ通う

・二階には赤子の我の横たわり祖父は子もりの歌を歌いき

・いだかれていし縁側にただ一人あるがままなる庭を眺める

|

« 塔2010年1月号掲載歌 | トップページ | 塔2010年3月号掲載歌 »

『塔』」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。