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2011年4月 9日 (土曜日)

塔2011年4月号掲載歌

〈作品2〉吉川 宏志氏 選◎

・日暮里ゆゆるゆる坂を登りきて友を見いだすぬばたまの闇

・月見寺の足元てらす灯火らの魂のごと蛇行しており

・ひさかたの光を浴びて秦琴と笙それぞれはおのこに添いぬ

・奏者らの背後の闇のあまたなる位牌も今宵客となるらむ

・赤き実を垂れハート型したる葉の構内に立つこれは飯桐

・そこここにパジャマ白衣の人のおりここは病気を思う建物

・循環器内科の四人部屋にいる四人の夫と妻われ一人

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