塔2012年2月号掲載歌
〈作品2〉花山多佳子氏 選◎7
・父の居ぬ庭の草ひく我が袖をヌスビトハギの種の飾るも
・点滴の管を外してしまうゆえ父の諸手にミトンはめらる
・ミトンにて包まれている右の手で酸素マスクを払う父なり
・息を引きとるというとき見守りぬ小さく吸いて小さく吐きて
・ようやくに家の布団に横たわる父に息なし風船葛
・遺影には帽子姿の父のおり聞こえてくるよ朗らかな声
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