塔2012年3月号掲載歌
〈作品2〉栗木 京子氏 選◎8回目
・秋風の吹く待ち時間そびえたつシマトネリコも我もそよぎぬ
・点滴と小さき匙より満たされる父よあなたはこんなに痩せて
・ミトンをば外せば父は柵をもち身を持ち上げる細き身体を
・ベッドから赤子のわれは父を見きその父を見る死の床の上(へ)に
・父も居し病院の日々癒えし人身まかりし人映画のごとし
・出棺の挨拶をするさやさやと鼻すする音とどくたまゆら
・遺言にカメラのことはわたくしに任せるという明るき楷書
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