塔2013年7月号掲載歌
〈作品2〉三井 修氏選
・金色の剣のごとく宙に浮く月ゆしゃりんとかすかに聞こゆ
・ハンガーは若者の手に直されて針金として歯刷子を釣る
・百草園(もぐさえん)までの急なる勾配に息のあがりて鶯を聴く
・ひさかたの雨の桜に背をむけて大中小の傘の連れ立つ
・古庭のしだれ桜に誘われて伯母は入所を月延べにする
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