塔2013年8月号掲載歌
〈作品2〉黒住 嘉輝氏選
・手の中の菊一輪は吾の花と孫は献花を拒みて泣きぬ
・仄暗き部屋に前後し吊られたる大き短冊卒塔婆のごと
・その声は寺山修司あたたかき声の導く白き文字追う
・梶井氏の『筧の話』に現れし水琴窟の音(ね)を聴きにゆく
・黒髪は急坂を行くアンデスの女(ひと)を訪ねて池上季実子
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〈作品2〉黒住 嘉輝氏選
・手の中の菊一輪は吾の花と孫は献花を拒みて泣きぬ
・仄暗き部屋に前後し吊られたる大き短冊卒塔婆のごと
・その声は寺山修司あたたかき声の導く白き文字追う
・梶井氏の『筧の話』に現れし水琴窟の音(ね)を聴きにゆく
・黒髪は急坂を行くアンデスの女(ひと)を訪ねて池上季実子
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〈作品2〉三井 修氏選
・金色の剣のごとく宙に浮く月ゆしゃりんとかすかに聞こゆ
・ハンガーは若者の手に直されて針金として歯刷子を釣る
・百草園(もぐさえん)までの急なる勾配に息のあがりて鶯を聴く
・ひさかたの雨の桜に背をむけて大中小の傘の連れ立つ
・古庭のしだれ桜に誘われて伯母は入所を月延べにする
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