塔2014年9、10月号掲載歌
塔2014年9、10月号掲載歌
<作品2>花山 多佳子氏選 9月号
・シンガポールの幼なの爪になお残る吾の塗りやりし杜若(かきつばた)色
・新宿の十一階に水牛の角より成りしボタン購う
・羽根様の複葉ぱんと叩いたら花山椒の鋭きっかおり満つ
・ミントの葉に天道虫のちょんとおり我の方へと向きを正せり
・猫はその尾もてなにやら話してる右へぱったん左へぱたん
<作品2>小林 幸子氏選 10月号
・コーラスのあとに立ち寄る三崎港に必ず選ぶオクラ納豆
・田楽にあしらうはずの木の芽とて朝に見れば丸裸なり
・萌黄色の甲冑まとうその虫を殺めしのちに揚羽と知りぬ
・何事のなかったように新しき小さき木の芽のぴかぴか光る
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