塔2014年11、12月号掲載歌
塔2014年11、12月号掲載歌
<作品2>池本 一郎氏選 11月号
・わたくしの母なら胃ろうはやりません主治医の言いて七夕の過ぐ
・病院の休憩室に置きざりのミステリー読む『街』半ばなり
・老い母と息子二人の選びたる胃ろうの道に黙すほかなし
・気の重い集いの前に滑り込む茶房にジャズのピアノたゆとう
・とろとろのロールキャベツのその店は姪と叔母にて営まれおり
<作品2>吉川 宏志氏選 12月号
・金曜の獣医の嘆く「家の猫も懐いてくれぬ」猫の毛の飛ぶ
・夢に見る街の通りはいつきても辿りつけない道ばかりなり
・東西の部屋らを仕切るドアは今閉めたあとからふわりとひらく
・寝る前に閉じし境界抜け猫は私の部屋のドアを叩くよ
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