塔2016年4、3月号掲載歌
塔2016年4月号掲載歌
<作品2>江戸 雪氏選
・ペンダントヘッドの小さき海亀は鎖を千切り大き海へと
・笑わずに笑い袋を売らんとす「さよなら、人類」席にまどろむ
・北側の更地に家の建つという五月のことを母は気にする
・仲良しのご近所さんや建築士の従妹も来たり詩吟を唸る
・サネカヅラの赤き実わたし境界を確かめるため脚立に乗りぬ
塔2016年3月号掲載歌
<作品2>前田 康子氏選
・盗みたる鶏とらえたる魚を焼き森から森へ少年の生く
・ユダヤ人故に手術の遅れたり腕一本の少年荒れる
・菊花酢の歯に弾みおり懐かしき香りのありて父はいまさず
・富士山の見えぬ座席に折り畳み式の杖など見せてもらいぬ
・二から一やはり一とて糖尿という病なり娘の婿の
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